老人介護施設で働く介護職にとっては、利用者はもとより、その家族との人間関係の構築がとても重要である。利用者である高齢者は、老人介護施設で24時間生活を送っているため、生活の様子や食事の様子などを細かく家族に伝えることも重要な仕事であるからだ。

老人介護施設で働く介護職員は、常に利用者の介護状況やサービスの内容について介護日誌を付けている。なぜ介護日誌を付ける必要があるかと言うと、利用者の日々の生活態度でちょっとした変化に気づくことで体調を管理し、必要であれば介護サービスの内容を変えていくことが求められるからである。介護サービスを大きく変える必要が出てきた場合には、日々の生活態度や健康状態を鑑みて利用者の家族と話し合いの場を持つ必要がある。このような地道な作業が入居者に対してより良い介護サービスを提供し、その家族と信頼関係を構築するのに役立つ。

介護職員にとって利用者の家族との信頼関係の構築に欠かせないのは、秘密保持義務を厳守することにある。介護職員はその立場上、介護サービスを受ける利用者やその家族の個人情報に接する機会がとても多い。そのため、仕事をしているときに知り得た情報は、自分の家族のみならず、友人にも話さないことを徹底することが大切だ。秘密保持義務は社会福祉士及び介護福祉士法の条文にも盛り込まれている義務であり、この義務を遵守しながら利用者並びにその家族と接することでより良い関係を築けるのだ。